みんなの声


映画『星々の記憶』パンフレットに掲載された宮田八郎さんのコメントをご紹介します。(2018.01)

 

伊勢さんのこと

 

伊勢カントクこと伊勢真一さんはドキュメンタリー映像作家、監督さんです。

名作『奈緒ちゃん』を始めとして、これまでに数多くの映像作品を世に送り出しています。

その作品たちは伊勢さんご自身の暖かな眼差しに基づいたヒューマンドキュメンタリーであり、

社会批評や問題提起を掲げるドキュメンタリー映画とは一線を画しています。

ひと言でいえば、伊勢さんが一貫して描いてこられたのは「いのち」そのもの。

この時代においてそうした映画が生み出され続けていることは、私は奇跡のようなものであると思っています。

折りにふれて私は「いせ組」の撮影に参加させていただています。

そして伊勢さんの映像制作に関わらせていただく度に、私は背筋の伸びる思いがします。

伊勢さんが信条とされている「作家であるより職人たれ」という映画人として筋の通った仕事ぶり、

そして被写体へのどこまでも暖かな眼差しに感じ入るのです。

 

伊勢さんの最新作『やさしくなあに』は、デビュー作である『奈緒ちゃん』のその後を撮り続けた、

謂わば伊勢さんのライフワークともいうべき作品です。

その制作に際して35年にもわたる撮影のラッシュフィルムをプレビューすることは

「創作活動というよりほぼ肉体労働だったヨ」と笑って仰っていましたが、まあ、想像を絶します。

その伊勢さんの精魂傾けた作品にわずかでも参加させていただいたことは、

私のかけがえのない財産であるし誇りとなっています。

私もそのハシクレなのでわかるのですが、

商業主義に乗っからない(乗りたくても乗れない?)映像創りを続けていくのはとても大変なこと。

世間の荒波にともすればのまれてしまいそうにもなるのを何とか堪えて舟を漕ぎ続けているのです。

そんな中で歯を食いしばりながら伊勢さんが仰る「わかってたまるか!」というつぶやきが私はとても好きです。

何かにつけて物事に結論や意味を求め、批判や否定ばかりがはびこる今の世にあって、

伊勢さんの映画はひたすら「肯定感」に溢れています。

そんな伊勢作品のエンドクレジットに、

また自分の名が記されるよう精進せねばと気合を入れる今日このごろです。

(映画『星々の記憶』パンフレットより抜粋)

 

宮田八郎

(穂高岳山荘小屋番、山と星と雪と花……の名カメラマン)

 


タイマグラで暮らす山代陽子さんよりメッセージが届きました!(2017.12)

 

家族はつづくよ、どこまでも……

 

11月、あちらこちらで『やさしくなあに』の上映がいよいよ始まりました。

いろんな場所でいろんな人のココロに、親子、夫婦、家族のこと、

そして、とりまく世の中のことを思う時間が流れるのだなぁとドキドキします。

奈緒ちゃんの歌うような朗らかな声は、お母さんの声、コトバ、そして願いを

しっかりと受け取っているなぁと今回あらためて思いました。

 

奈緒ちゃんの言う「やさしくなあに」の声が、優しさと愛について静かに問いかけてきます。

そして、35年という長い年月に、私の育ってきた家族、私が育ててきた!?家族を重ね、

家族はつづくよ、どこまでも……と思うのでした。

「やさしくなあに」とつぶやいていきたいと思います。

 

山代陽子

(早池峰山の麓タイマグラで民宿「フィールド・ノート」を営む)

 


伊勢真一監督よりメッセージが届きました!(2017.11)

 

 応援団が出来た!

 

応援団が出来た! 嬉しい。

新作『やさしくなあに〜奈緒ちゃんと家族の35年〜』の応援団だ。

 

もう20年以上前、自主制作の処女作、映画『奈緒ちゃん』を完成させた時、

学生時代の仲間たちが中心になって「奈緒ちゃん応援団」という、

勝手連のような集まりを立ち上げてくれ、上映を応援してくれた。

「奈緒ちゃん応援団」は、“奈緒ちゃん新聞”という自前のミニコミメディアを発行し、

映画『奈緒ちゃん』を各地で自主上映するための大きな力となった。

その結果、全国各地500ヶ所を越える場所で、上映が実現したのだ。

 

そして「奈緒ちゃんシリーズ」第4弾の『やさしくなあに』で、再び応援団結成!!

名付けて「やさしく応援団」。

 

映画の中で主人公の奈緒ちゃんがつぶやく不思議な言葉「やさしくなあに」は、

どんな意味なのだろう・・・。

奈緒ちゃん本人に聞いてみたけど、

「ワカラナイ」

という答えが返ってきた。

奈緒ちゃんのお母さんは、

「 “やさしさって何だろう?” ということかなあ・・・」

と言っていた。

 

“やさしさ”って何だろう?

 

映画『やさしくなあに』にエールを贈り、

映画を観る一人ひとりにエールを贈り返す応援団。

「やさしく応援団」

よろしくお願いします。

 

 伊勢真一

(映画『やさしくなあに〜奈緒ちゃんと家族の35年〜』監督)